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そう言えば、仕事ではいつも、ドSぶりを発揮され、ゆっくり話すことなどなかった。
むしろ、恐ろしくて近寄り難かった。
「はい…」
「ごめんな」
「いえ…」
『謝らないで!そんな優しくて、切ない顔で謝られたら…困ってしまう。』
「なあ、璃子、彼氏居るのか?」
「いえ、居ません。」
「そうか…」
「春名さんは、彼女いらっしゃるのですか?」
「いや、居ない。」
「そうなんですか?!」
失礼なほどに驚いてしまった。
完全に彼女持ちだと思っていたから…
苦笑している。
「あ、いえ、春名さんぐらいカッコイイ人なら、いらっしゃるかと思っていたので…」
「えー!そんなことないよ。じゃあ、璃子が彼女になってよ♡」
「え?えーーー!」
『何何?今サラッと、告られた?』
ビックリし過ぎて、声が大きくなってしまった。
「ハハ、なんて声だすんだよ。璃子!俺と付き合ってよ。」
「正気ですか?」
「どうして?イヤ?」と、また、優しい顔になった。
いったい、なんなんだ!この人は…
完全に、その笑顔に、やられてしまってる。
ニコニコしている。
いつものドSは、どこ行った?
「いつも、春名さんは、仕事の時、私に対してドSか?ってぐらいの仕事量を渡しますよね?」
「うん。」
「私、てっきり嫌われてるんだと思ってました。
だから、わざと虐められてるんだと…」
「とんでもない!璃子が1番仕事出来るからだよ。
それに、週末は、一緒に居たかったから、つい…」
「え?どういうことですか?」
「たくさん仕事を与えておけば、残業になるから、
俺が外回りから帰って来るまで待っててくれるだろう?」
「え?やっぱりわざとだったんですか?」
「そうだよ。ごめんね。」
「…」複雑な感情が渦巻く
「好きなんだ、璃子!」
告られた…
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