ミホノライデン、優駿馬に

1/1
前へ
/29ページ
次へ

ミホノライデン、優駿馬に

 青鹿毛の牝馬に恋をしたミホノライデンは皐月賞に挑むも、ライバルに惜敗する結果となった。  その牝馬もまた、オークスでは1着を逃す結果となり、彼女の悔し涙を見てミホノライデンは一念奮起した。 『ただ走るだけじゃ駄目だ。僕はプロなんだ』  迎えた東京優駿では、静かにライバルたちの動きを観察し、最終直線の400メートルで勝負に出て、ライバルたちを一気に抜き去った。  皐月賞馬だけは最後まで競ってきたが、ミホノライデンは落ち着いており、残った距離を生かしながら20センチメートル差で競り勝った。 『次の目標は世界だ。僕たちはまだまだ速くなれる』  彼の瞳に映るのはアメリカだろうか。それとも中東か。いや、あの国かもしれない。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加