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「ところで二葉さん。」
「はい?」
「どなたか分からない方がいまして。」
「またですか。」
可笑しそうに笑われて、俺は少しホッとする。
「モテる男は大変ですね。」
「そういうわけでは。」
「度を越してモテる人は、謙遜せずに認めちゃったほうがいいですよ。」
「そうですか?」
「はい。その方が周りも楽です。」
俺は少し考えた後
「度を越してモテるもので、また知らないうちに職場の女性、しかも先輩に目をつけられたようなのですが、相手が誰なのか分からず困っています。お力添えを。」
と言って頭を下げる。二葉さんが、あはは、と笑ったあと
「特徴は?」
と聞いてくる。
「俺が書類を持っていく部署に所属していて、髪が長くて、顔立ちも、服装も、化粧も、香りも、主張が強めの人です。」
「うーーーん・・・・。」
「俺が紅茶好きと誤解してました。」
「うーーーん・・・・。」
「オータムなんとか、というダージリンを持っていました。」
「ん?ダージリンのオータムナル?」
「あ、それ。」
頷くと、二葉さんが苦笑する。
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