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ボクは改めて部屋の中を見渡した。壁際には人間が丸々入れそうな四角い容器が並んでおり、その中にはボクと同じ服を着たアンドロイド達が眠っている。
大きなモニターには外の映像が映っており、これまたボクと同じ服装のアンドロイド達が玄関を見張っている。
どうやらボクは、量産された機種らしい。だから、ボクが壊れても代わりは何体でもいるのだろう。だからといって、どうということはないのだけれど。
「9号機。戻ったぞ」
しばらくして部屋に戻ってきたマスターは、1人の青年を連れていた。まず目に付いたのは服装。白と黒の制服に、青いマントを身につけている。マスターとは全然違う格好だ。
次に、顔。黒髪に、左右で違う瞳の色が目を引く。片方は蜂蜜色を、もう片方は空色をしている。その青年はボクを見るなり、にこりと微笑んだ。
「マスター、彼は?」
「今日から君と共に行動して貰うことになった、宵月聖夜君だ。聖夜君、こちらは我が社の防衛用アンドロイド、EDS9号機だ」
マスターがボクを紹介する。それ聞いた青年は、ボクに明るい笑顔を向けた。
「俺は宵月聖夜。今日から任務で君と組むことになったんだ。よろしくな!」
「宵月聖夜さん……よろしくお願いします」
ボクがぺこりと頭を下げると、マスターが咳払いをした。
「早速だが、任務の説明をする。あまり時間が無いのでな」
「任務……?」
「ああ。君達には3日後、私を襲撃から守ってほしい」
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