2 帰宅

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 ……子ども扱いされているのだろうか。確かにボクは聖夜さんに比べて背が低いけれど、アンドロイドに年齢という概念はない。  それに、何故ボクを人間のように扱うのか理解できない。この人は一体何を考えているのだろうか。 「俺、先に風呂に入ってくるから!適当にくつろいでてくれ。あ、テーブルの上にあるクッキー食べてていいからな!」  聖夜さんはそう言って、脱衣所の方へ消えていった。忙しい人だな……。  ボクはリビングの方へ行き、椅子に座った。テーブルの上にはクッキーの入った皿がラップされている。ボクはアンドロイドなので、勿論食事は必要ない。ボクに必要なのはバッテリーだ。やはり聖夜さんはボクのことを人間だと勘違いしているらしい。戻ってきたら訂正しておかなければ。  ボクは椅子から立ち上がり、部屋の中をぐるりと回った。  冷蔵庫を開けると、中には色とりどりの食材があり、奥の方からお酒も出てきた。聖夜さんは梅酒が好きらしい。  ボクは冷蔵庫を閉めて、すぐ近くにあったクローゼットを開けてみた。中には聖夜さんの私服が何着か入っていた。半袖のパーカーとTシャツ、それにジーンズ……聖夜さん、カジュアルな服を着るんだな。
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