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何だか、本当に英雄なのか怪しく思えてきた。聖夜さんはただの一般人なんじゃないか?
ボクは自分に搭載されている検索エンジンを使って、聖夜さんを調べてみた。
──宵月聖夜。5年前、高次元生物を生み出した敵を倒し、世界を救った英雄の1人。アビリティは『加速』。テレビでも連日放送されていた通り、その性格は優しく穏やかである。左右で目の色が違うのは、嘗て彼の命を救った仲間のアビリティの影響らしい。彼自身は仲間と表現しているが、深い仲だったのではないかとの噂もあり、ファンをどよめかせている。
……本当に英雄なのか。それから、左右で違う目の色にはそんな理由があったなんて……知ってはいけないものを知ってしまったような気がする。
「何してるんだ?」
気がつくと、聖夜さんがボクの顔を覗き込んでいた。
「……貴方のことを調べていました」
「俺のこと?何で?」
「貴方が英雄に見えなかったから、本当にそうなのか気になったので」
「え……やっぱり見えない?よく言われるんだよな……」
聖夜さんはそう言うと溜息をついてしまった。
「……まぁ、英雄なんて大したものじゃないからいいけどな!」
そう言って、誤魔化すように笑いながらボクの頭を撫でる聖夜さん。
「……何故ボクの頭を撫でるのですか?」
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