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瑠美の書いた話は高校生男女の恋愛小説だ。文化祭実行委員が後夜祭のプログラムを花火にするかキャンプファイヤーにするか議論になったところから始まり、男子はキャンプファイヤー、女子は花火と意見が割れてしまう。同じクラスの実行委員であった主人公と想い人はわだかまりの解決に向けて協力し合い、仲を深めていく。
結局、前夜祭に花火を、後夜祭にキャンプファイヤーをやることで争いは収まった。最後のキャンプファイヤーの前で主人公が告白されるところで話が終わっている。
花火やキャンプファイヤーの部分を炎とかけていてお題には沿っている。一通り読んだけれど私が気になるところはない。
「……いい話だと思うけど」
「うん、私としてもよく書けたと思うんだけど」
「けど?」
「また走り出しちゃったの」
「ああ……」
あー、とだみ声に似た声を上げながら瑠美はキーボードの上に倒れこんだ。改めて画面を覗き込めば確かに。
「俺、莉子のことが好きだ」
「えっ」
「……返事はいつでもいい。でも、できるだけ早くもらえたら嬉しい、かな」
顔を赤くした秀介は私に背を向けるとキャンプファイヤーの前ではしゃぐ実行委員たちの輪へと戻って行った。
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