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紅い炎に照らされた秀介の笑顔がキラキラしてみえるのは、きっと、秀介と同じ気持ちだからだろう。
返事が早い方がいいって言うなら今すぐ教えてあげる。スカートについた芝生を払ってから、秀介の元へ走り出した。
というところで話は終わっている。主人公の莉子が走り出して、秀介のところへ返事を伝えに行く。話の流れとしては不自然じゃないけれど、瑠美は納得していないようだ。
「いっつもそうなの、私の書く話って最後に誰かが走り出したところで終わるの」
「そうかな? あ、あれは? 図書館の先輩後輩の話」
「ああ、あれ……ちょっと待って」
カチカチと瑠美はパソコンを操作して、以前読ませてもらった小説を見せてくれた。タイトルは『図書館のこわい先輩』
主人公は図書館で働く女の子。ある利用者の方からタイトルのわからない本を探すように頼まれたところから話が始まる。
困った主人公はこわい先輩こと小岩井先輩に手伝いを頼む。ちょっと厳ついが本についての知識は抜群の小岩井先輩はその本を簡単に見つけ出してめでたしめでたし。
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