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かと思いきや、業務終了時間になり控室で帰る支度をするふたり。さっき見つけた本について話をした後、小岩井先輩が先に控室を出る。その後、荷物をまとめた主人公は自分の思い出にある本がどんな本だったかが気になり始めてしまう。
「私の本も探してほしい。そう思った私は、こわい先輩を探すために小走りで控室を出た。……見事に走ってるね、小走りだけど」
「たぶん他のもだいたい走り出してる……。いい落ちのつけ方がわからないんだよね」
「それは書き手の一生の悩みだと思うよ」
「……ちなみに沙織はどうなの?」
「私? 私は……」
どうだったかな、とさっきまで作業をしていたスマホを手に取る。書きかけの小説をいったん保存して、テキトーなファイルを開く。
まずは最近書き上げた『勇者になって魔王討伐を頼まれた俺。褒美は姫との婚約だと言われていたけれど、魔王の方が好みな件』というファンタジーBLだ。
「……そして俺は聖剣を投げ捨てて、魔王の元へと走り出した。走り出してる」
「他には」
次に開いたのは『最後に青春する相手は君がいい』という学園BLだ。
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