走り出す呪いを解き放て

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「……3日後です」 「相変わらず瑠美はギリギリまで粘るわねえ」 「じ、熟考してるんです」 「それでいっつも空回りして、締め切りに出すのは満足していない話になってるんでしょ?」 「うっ」 「で、今は何に空回りしているのかな?」  ふふっと笑った小柳先輩は瑠美のパソコン画面を覗き込んだ。読んでいる先輩に今までの経緯を簡単に説明する。  どうしても走り出したところで話が終わること。図書館でプロの作品のオチを調べて、なら走り出した後の話を書いてみようと思ったこと。だが、実際にやってみたら文字数オーバーしてしまうこと。  話が終わった時には瑠美の話を全て読み終わったらしい「確かに走り出してるね」と苦笑いを浮かべた。 「お題は炎だったよね」 「はい。キャンプファイヤーと花火をかけてます」 「その割に花火もキャンプファイヤーも出てるシーンが少ないよね」 「……」 「文化祭準備期間のいざこざで、ふたりの仲が深まる話なのはわかるけど……っと」  マウスを手に取った小柳先輩は序盤の紛糾する文化祭実行委員会の場面の辺りを選択状態にした。
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