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そして何のためらいもなく左クリックからの切り取りを選択。ごっそりとその部分を削ってしまった。
「なっ!?」
「いちおうメモ帳に残しておくか……これでよし」
「な、なんで」
「いやだって序盤のここなくても話繋がるでしょ?」
「えっ」
「もう分裂が始まったところから話を始めちゃえばいいのよ。そうすれば前夜祭と後夜祭の話をもっと膨らませられるでしょ?」
「あ、確かに」
「でも最初に分裂が始まった理由を簡単に書き足してね。でないと何の話かわからないから」
「は、い」
改めて話を読み直し始めた瑠美に満足したのか、うんうんと頷いた先輩は今度は私のスマホ画面を覗き始めた。
すっごいBLだね、というありがたーい感想をいただいたところで添削が始まった。
「沙織のはね、ここで終わらせていいよ」
「えっ」
「ここ、愛の告白をして、魔王に受け入れられてたところ。城に泊まって、これからのことは夜が明けたら考えようと、俺は静かに目を閉じたって感じにすれば走り出さないでしょ」
「な、なるほど」
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