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「ねぇ? 優しい思い出、これからもどんどん増えるね」
「当たり前だろ。まずは、医学部のキャンパスで熱烈デートだ。彼氏持ちだってこと、ギンギンにアピールしとかねぇとな!」
そんな暑苦しいアピール、どこに需要があるんだろう。ま、やりたいようにやればいい。
小動物を思わせる可愛い系は見た目だけ。とてもしたたかで獰猛な私の彼氏は、止めたとしてもきっとキャンパスまでやって来るに違いない。
「食堂で一緒にご飯を食べましょうか」
「うん」
些細なことでいい。楽しく嬉しく、優しい時間を共に作っていこう。
たくさん重ねていこう。これは、違えることのない、ふたりの未来。
春まだき旅立ちの日。一輪の花が、芳しく晴れやかに咲いた。
−Fin−
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