待ち伏せ

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蓮は奈々を案内する。 普通の女性なら豪華さに驚くか、きゃあきゃあ騒ぎそうなイメージだが、奈々は無反応。 蓮には奈々の反応が新鮮だが、奈々には見慣れたマンションだ。 奈々がここに住んでいて、ましてやこのマンションのオーナーだとは思いもしない。 エレベーターに乗り込み、蓮がカードを差し込むと上昇していく。 蓮は顔には出ていないが、かなり浮かれているのだ。 ただ、フルネームを『柊 奈々』と聞いて、どこかで聞いた事があるような気がした… 考えるが思い出せない。 40階の部屋に到着し奈々をエスコートし、リビング横のバーカウンターの椅子に促す。 「話をしたいんだが、スーツを脱ぎたいので待っていてもらえるか?」 「どうぞ」と答えて奈々は窓の方へ視線をやる。 綺麗な夜景の広がる光景。 奈々には見慣れた光景。 ふと奈々は、さっきの柳田さんを思い出す。 びっくりしてもさすがプロだ。完璧な対応だった。 思い出してクスッと、優しく微笑む。 戻ってきた蓮は、そんな奈々の微笑みに釘付けになる。
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