おばあちゃんの手袋と夢の国

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************* たっ君の夢の中はある国のお城の中から始まりました。。 王子様とお姫様の部屋を天井の隙間から2匹のネズミが覗いています。 「ニィ、やっとお城に入れたね」 「キィ、お願いを聞いてくれてありがとう」 オスネズミのキィとメスネズミのニィは、このお城を[夢の国]と言っていました。キィはいつかここに来たいと言っていたニィのお願いをかなえてあげたのです。 ガラスの靴を履いたお姫様が王子様にお願いをしています。 「明後日、あの子とお散歩をする約束をしたの。外は寒いから手編の手袋を明日までに欲しいわ」 「明日までか……」 王子様は愛するお姫様のお願いは何でも聞いてあげます。考えて考えて、何かを思いついた様です。 「明日の朝、国中に知らせを出そう!今日中に6歳の我息子に合う手袋を編んで持って来た者の願いを何でも聞こうと!」 「あら、王子ったら。私のガラスの靴と同じ様な事を」 と言いながらお姫様は笑っています。 「ニィ、聞いたか?」 「うん聞いた!」 「もしかしたら僕達の願いが叶うかもしれないぞ!」 「そうねキィ!でも……手編の手袋って……」 「ほら、今日の公園の……」 「あっ!あれならピッタリかも」 「明日の朝、国中が騒ぎ出す前に僕達が!」 そう言ってキィとニィはお城を出て公園に向かう事にしました。 「ニィ!走るぞ!」 キィとニィは思いっきり走り出しました。
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