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異世界行ったらホットサンド焼くことになった。
最近、雨続きで趣味の山登りにも来れなかったので、天気もあまり良くなかったのだけど思い切って来てみた。
何度も登りに来ている山だけどサッと行って帰れるくらいの距離が良いんだよね。
少しだけ、ぐずついているけどなんとか帰りまで天気も持ってほしいところ。
山頂に着くとやっぱり雲で景色は見えないな。
もうすぐ雨が振りそうだし遠くでカミナリもなっている、昼食を食べたらサッサと下山したほうが良さそうだ。
さて、昼食は最近マイブームのホットサンド。
食パンに具を挟んでホットサンドメーカーで軽く焼いて作る熱々のサンドイッチだ。
今日の具は定番のハムとチーズ。
食パンにハムを乗っけてチーズをどさっと。
軽く塩コショーしてから、ほんの少しカレー粉を振りかける。
そして食パンを上に乗せてから崩れないように慎重に挟んでっと。
これをアウトドア用の調理用バーナーで火にかけます。
弱火でじっくり焼くのがポイント。
片面、大体7分くらい焼けば完成。
ホットサンドメーカーを開けると焼き目がついた美味しそうなホットサンドの出来上がり。
焼けたパンの香ばしい匂いが漂います。
これをナイフでザクッと真ん中から切ります。
うん、キレイに焼けたね。
記念に写真を撮って「つぶやいたー」にアップしておこう。
お、さっそくリプライがついた
○○さん「美味そう!」
△△さん「ホットサンド!」
□□さん「俺にもよこせ!」
ふふふ、飯テロ成功だぜ!
さーてと、そろそろ本格的に天気もヤバそうだし、昼食食べて降りますかー。
いただきま~す!
と、その時ゴロゴロ…ピシャア!と音が聞こえたかと思ったら目の前が真っ白に…
気がつくとなぜか横になっていた。
カミナリに打たれた?まさかね。
すっかり冷めてしまったホットサンドを急いで食べたところでポツポツと雨が降ってきたので早いとこ下山しようとカッパを羽織る。
下山を始めてしばらくしたところで何かがおかしいことに気がついた。
この山は何回も来ているけれど、この道はどこだ?
いつの間にか見覚えのない道を歩いている。
しまった、慌てて下山したので道を間違えたか?
でも、雨の中を山頂にもどるのも辛いな…。
いいや、このまま降りていくか。
どこか知っているところに出るだろう。
そろそろ麓に出る辺りなのにな…と不安になってきたところでやっと視界が開けた。
しかし、見覚えがない場所だ。
登山口というよりも村はずれって感じだ。
土壁に茅葺き屋根の家?
今どき珍しい建物だな…なにか文化財的な地域なんだろうか?
ハテ…?
近くにそんな場所あったか?
そんなことを考えていると物陰から二人の子供が出てきた。
「こ、こんにちわ…」
「やぁ、こんにちわ」
「ねぇねぇ、オジちゃん、今あの山から降りてきたの?」
「うん、そうだけど?」
顔を見合わせる二人。
「どうかした?」
「ううん…なんでもないの」
「ところで、ここはなんて場所かわかる?」
「ここはココム村だよ」
聞いたことのない村だな。
どんな字を書くんだろう?古混む村?
そんな場所近くにあったか?
「ちょっと教えてほしいんだけど近くにバス停はある?」
「バス停?」
「電車の駅でもいいんだけどね」
「電車?」
うーん、小さい子じゃわかんないか…
そんなことを聞いているうちに
グウウーーー!とお腹のなる音が。
「ん?お腹減ってるの?」
「うん…」
たしか昼飯のホットサンドの材料の残りがまだあったな。
「ホットサンドでよかったら食うか?」
「ホットサンドって何?」
「美味いやつだ!」
「たべるー!」
よしよし、じゃ作ってあげますか。
ザックの中から食パンの残りとハムとチーズも取り出して
ホットサンドメーカーに挟んで焼く!
良い臭いがしてきたな…
ヨシ、出来上がり!
ぱららぱっぱっぱー♪
なんじゃ?レベルアップでもしたか?
スマホの着信音だなきっと。
とりあえずホットサンドメーカーを火から下ろさないと焦げちゃうから後でいいか。
真ん中から切って二人に分けてやる。
「これ食べていいの?」
「どーぞ、召し上がれ!」
「いただきます!」
「熱いからなーゆっくり食えよー」
ザクっ
「熱っ」
「言わんこっちゃない…」
「でも、美味しい!」
まぁ、美味しいって言われて悪い気はしないね。
「ふう!ごちそうさま!」
「お粗末さま」
「こんな美味しいの食べたの久しぶり!」
「それは良かった」
さてと、そろそろ帰りをどうにかしないとな。
「ねーねー」
「うん?」
「ウチのおじいちゃんに会ってってよ」
おじいちゃんか、まぁ大人だったら近くのバス停くらいわかるだろう。
「うん、じゃあ、おじいちゃんに会いたいな」
「こっちきてー」
案内されるままについていく。
しかし、この村って凝ってるな。
劇のセットみたいなもんなんだろうけど、妙に生活感があるというか…リアルというか…。
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