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そのまま、ある家に入っていく。
ここが「おじいちゃん家」ってことか。
「ただいまー!」
「おお、ポポ、ロロおかえり!」
「…その方は?」
「さっき、美味しいのもらったの!」
「おお、ありがとうございます。」
「いえいえ、どういたしまして」
「それで、ちょっとお尋ねしたいことがありまして…」
「なんでしょう?お教えできることであれば(ぐぅぅぅぅ!)」
あら、また腹の音が…
ん?おじいちゃんからか?
「お恥ずかしい…実は3日も食べ物を口にしていないものでして」
「3日!?」
うーん、登山用のおやつに何か食べ物が残ってたはずだ。
…とザックの中を探ると
さっき使い切ったはずの食パンとハムとチーズがまだある。
あれぇ?そんなにたくさん買ってきたかな?
まぁ、いいや
ちょっと台所お借りしますね。
さっそく台所で登山用バーナーを使いチーズホットサンドを作る。
「おお、いい匂いがしますな!」
「もう少しで出来上がりますので待っててくださいね」
「はい、出来上がり!どうぞお召し上がりください!」
ぱららぱっぱっぱー♪
また着信か?まぁ、メールかなんかだろ。
あとあと。
「おお、うまい!これは何という料理ですか?」
「ホットサンドですよ」
「ホットサンドですか!うまいものですな!」
ただのハムとチーズを挟んで焼いただけのホットサンドでこんなに喜ばれると照れるね。
コンコン、ノック音がする。
「村長。おられるか?」
人が訪ねてきた。
「救援物資はいつ頃届くのかわかりましたか?」
「おや、いい匂いがしますな」
「お食事ということは…救援物資が届いたのですな!」
「ああ、いや…これは…!」
「知事からの救援物資がそろそろ届くのではないのですか!」
あらら?修羅場?
(((ぐぐぐ〜〜〜!)))
あら、もしかして皆さんも腹ペコ?
さっき使ったホットサンドの残りのパンがまだあったはず。
「同じものでよかったらお作りしましょうか?」
「え?食べ物があるのか?」
「いいんですか?」
「本当に?!」
さっそくホットサンドを作って振る舞う
ぱららぱっぱっぱー♪
またメールの着信音か…変なタイミングで鳴るなぁ
ともかく食べてもらう。
しかし、おかしいな?
さっきから食パンが二袋以上出てきている気がするだが…
「おお、これはうまい!」
「まともなものを食たのは何日ぶりだ!」
「うまいですなぁ」
「あの…もし食べ物が余っていたら家の子たちにも分けてくださらんか?」
「うちも!」「うちにもお願いします!」
「さすがにそんなには食べ物は持ってきてないからなぁ…」
「そうですよねぇ…」
「村長!救援物資はいつ頃届く予定ですか?」
「もうすぐ届くはずなんじゃが…」
「そうですか…」
すごすごと帰っていく男たち。
このおじいちゃん村長さんなのね
「そういえば救援物資ってなんですか?」
「お恥ずかしい話なのですが、今年は作物が実りませんで食べ物がないのです。
それでこの地方の知事に連絡をして救援物資が届くはずなのです。」
おや、そんな事になっていたなんて…
なにか食べ物を分けられればいいんだけど
オヤツくらいしか持ってないから村の人に配ってもなぁ。
それはそうと、ちょっとトイレ。
「トイレお借りしたいんですが…」
「そこの奥の部屋になっています。ロロ案内しておあげ」
「はーい!こっちだよ」
トイレで用を足したあと
そういえばさっきから着信がいくつか来てたようだけど何だったんだろう?
スマホを取り出すと…
「レベルアップしました!固有スキル”無限ホットサンド”を獲得しました。」
なんじゃそら?
説明があるぞ…
「このスキルはホットサンドの材料の食パンとハムとチーズが無限に取り出せます。」
んんん?なんだと?
よくわからないがホットサンドの材料が無限に出てくる?
なんでそんな表示がスマホに?
もしかして、さっきふるまったホットサンドの材料が無限にでてくるってこと?
ためしにザックに手を突っ込んでみる。
おお?!食パンが出てくる出てくるあっという間に食パンが10袋出てきた。
ハムとチーズも出てくるなぁ。
コレがスキル(?)
ということはもしかして!
トイレを出て手をあらって村長のもとに戻る。
「あの…!もしかしたら食べ物、なんとかなるかもしれませんよ!」
とりあえず村人は五十人いるらしい。
もし無限にホットサンドが作れるなら!
作って作って作りまくるぞ!
ホットサンドを5枚ほど焼いてみたらところ
ぱららぱっぱぱー♪
固有スキルがレベルアップしました。
ダブルホットサンドを獲得しました。
お、レベルアップのメッセージが音声になったw
しかもホットサンドメーカーが二枚いっぺんに焼けるタイプに変形した。
出来上がったホットサンドを各家庭に持って行ってもらう。
さらに十枚ほど焼いてみたところ
ぱららぱっぱぱー♪
ホットサンドメーカー二刀流を獲得しました。
二刀流ってなんだ?と思いながら
食パンを取り出そうとザックに手を突っ込むと何か硬いもの手が触れる
…もう一つホットサンドメーカーが出てきた。
ご丁寧にシングルバーナーももう一つ。
二刀流だから両手で焼け…と?
まぁ、五十人分焼くのだし
両手で焼くか
さらに二十枚ほどホットサンドを焼くと
ぱららぱっぱぱー♪
固有スキルがレベルアップしました。
ダブルホットサンド二刀流を獲得しました。
両手に持っていたホットサンドメーカーがさらに二枚づつ焼けるホットサンドメーカーに変形した。
さすがに両手にホットサンドメーカーを持って焼きながらだと大変だ。
ポポとロロにも手伝ってもらって村人全員分作り終えた。
ふう、疲れた。
ポポとロロに付いて村人たちに配って歩く。
みんな三日ほど食事をしてなかったそうで皆喜んでくれた。
村人たちに配り終わった頃には、もうすっかり日が暮れてしまったので
村長の勧めもあって泊めてもらうことになった。
そういえば今日は山歩きしてきたんだっけ
そんなことを思い出しながらベッドに横になると眠ってしまった。
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