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「………なにしてんの?」
さっきまで気絶していたはずの血まみれだった男が上半身だけ起こした状態でこちらをみていた。
「……起きたのか。体は大丈夫なの?」
「何ともない。お前が俺をここまで運んだのか?」
あそこまで血だらけで何ともないのは流石におかしいだろう。
だが、確かにさっき血痕を拭いた時、背中に模様みたいな痛々しい古い傷のみで、外傷はほとんどと言っていいほど無かった。
「そうだよ。上から降ってきたお前をここまで運んだ。鎖を解錠しようとしたが苦戦しててな。」
「……そうか。鎖は問題ない。」
ルイは喋りながらも警戒していたが、男はこちらを襲う様な仕草は見せない。
ヴァンパイアではなかったのだろうか。
「俺はヴァンパイアハンターのルイ。君の名前は??」
「…………シドだ。」
気絶していた時には分からなかったが
グレイヘアに凛とした赤い瞳。
そして、整った容姿。
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