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「……俺は記憶の手がかりになるそいつを探すため他のヴァンパイアから逃げてきた。この家のベランダに落ちたのもたまたま魔力が枯渇したからだ。」
魔力枯渇して、気絶し、結界も効かずに落ちてきたってことか。
「同じヴァンパイア同士なのに逃げる必要あるのか?」
「俺は他の奴らとは種が違うヴァンパイアだからアイツらは捕らえて監視下に置いておきたいそうだ」
同じヴァンパイアなのにこいつも狙われてるのか。
「まぁー俺は良い巻き込まれ役だな。」
「拾ったのはお前だろ。」
助けてやったのに、いい度胸だな。
こいつは口を開けば皮肉しか言わない。
ルイは部屋全体を見渡す。
「じゃあ、この惨事は一体なにがあったんだ?」
散らかった部屋に血痕の跡だらけ。
なんか黒い砂みたいなのも混じっている。
気味が悪い……。
「それは戦った痕。俺が出て行ってから、尾行していた奴らがこのマンションの結界を破って侵入してきたから殺った。」
「なんだよそれ!?結界は修復して寝たぞ?」
「弱いんだよ、お前が。侵入されてるのに寝てやがるし。」
「……っ。まずお前が落ちてこなかったらこんなことにはならなかったんだが!?」
今の結界だと普通に侵入されるってことかよ。
どんだけヴァンパイアは強いんだ。
「心配しなくとも俺が侵入者は消した。もう襲われることもない」
ニヤッと笑みを浮かべながら黒色の砂に目をやる。
もしやあの砂は……ヴァンパイアの……。
「そ、そうか、、、。それなら大丈夫……って全然良くない!!どーすんだよ、この部屋!これだから吸血鬼は嫌いなんだ!!」
「安心しろ、俺もお前には興味無い。」
ほんとに皮肉ばかり。
「うるせぇ!!……ってどこいくんだよ」
急に椅子から立ち上がったシドは昨日落ちてきたベランダへと足を運ぶ。
「ついてこい」
言われるがままルイも後を追った。
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