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落ちてきた男に羽らしいものは無い。
結界も破って侵入してきてる辺りヴァンパイアでは無いのだろうか。
いや、仮にヴァンパイアだったとして、脱獄犯みたいな格好のヴァンパイアが上から血まみれで降ってきましたと通報して果たして聞き入れてくれるのだろうか。
疑問しか浮かばないこの中で最善をルイは探した。
とりあえず生きているかの確認をしよう。
万が一の為に手元のロザリオで自分を包囲する魔法陣を作る。
そして血まみれの男の呼吸を確認した。
「息は……ある……」
気絶してるだけなのか、寝てるだけなのか。
体は冷たいが呼吸はしている。
「……どうしようか。」
放っておいてもよかったが目障りなので部屋の中へ入れることにした。
このまま寝かすと部屋全体が血まみれになるので服を全部脱がして、血痕を拭き取り、ベッドに寝かせた。
「とりあえずこれで……」
寝かせた後になにをしているのだろうとルイは頭を抱える。もしこれで結界を破れる上位ヴァンパイアであれば命は無いだろう。
そう思いながらも目の前の鎖に目がいってしまう。
これの解除魔法の仕方すらも分からない。
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