滴る女

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セックスをする相手一人一人をその場限りの恋人にしているかのように丁寧な扱いだった。 事後にその人の性格が表れるなんて言うがまさにその通りだと思う。 その人は動いて疲れたのか隣ですぐに寝ていた。 人に心を許すのが早そうだな。 何だか隣でねているこの人のことを少しいとおしく思った。 私もその余韻を少し楽しみ、ホテルを後にした。 ノースリーブの黒い服から出た私の腕がまだ少し火照ったように赤くてさっきまでしていた行為を 思い出した。 道中でちょっとにやけている自分はどんな顔をしていたんだろうか。 特定の相手をもつ関係はめんどうくさい。 記念日なんてどうでもいいし、だからと言ってセフレを作るのも飽きる。 だから結局今みたいにその場でしたい人としてみる。 そんな感じで最近は過ごしている。 最初は心を消耗するだけなんじゃないかって思っていた。だが、思っていた以上に自分はセックス自体が好きだった。 だからいろんな人といろんなことを楽しめるこの生活には満足している。 外のねっとりとした空気が嫌で近くのバーに入った。 始めてきたそこは、人がぽつぽつと数人程度まばらに座っていた。 お酒のボトルが光に照らされて宝石みたいだ。 さっきのお店での酔いはすっかりさめていたから私はカクテルを飲みなおした。
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