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赤く光る液体はさらっと下にまとわりついて、心地いい。
店内に涼しく効いたクーラーも寒すぎずちょうどよくて、すぐ冷える私にはとてもありがたい温度だった。
今日は仕事を終わりにやる気満々できたから、露出が多くて座るのにも一苦労だったよ。
まだ若いから全然いいんだけどさ。
タイトスカートから伸びた足は白いくせに、運動するせいで筋肉の筋とかが見えて何かいやだな。
「子供のくせに背伸びしようとしてるんでしょ」
急に隣から中性的な声がした。
何だか見覚えのあるその人の顔。
あの日の、私を見下すように見つめたあの人と同じ表情をしていた気がした。
茶色い目に短髪の髪の毛、顔が整っていて、でも性別が分からない顔というか。そっち系の人な気がした。
「私ですか?」
突然言われたことにぼーっとしていた私は動揺した。
「そうよ。どうせまだ22くらいなんでしょ。火照った頬、まだ熱を帯びている腕の赤さ、どことなく男物の香水がするわ。さっきやってきましたよっていう感じ。」
そんなに言い当てられて動揺しないはずがない。
ていうかこの人は誰だ。
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