滴る女

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驚いた私を見て 「すごいわね」 バーでの声色を取り戻したように、話し始めた。 寝室であろうその部屋にある大きなベッドに腰かけた。 隣同士で並んだ私たちの間にはどんな空気感が漂っていたのだろうか。 ただその人の香水の匂いがあまくて、私が酔っているということはわかった。 いつもに増して飲んだからなのか、香水の匂いで車酔いをしたのか。 隣から手が伸びてきた。 私の顔に流れた髪の毛をそっと耳にかけた。 「しらない男の人の部屋に入ってきちゃうんだから。」 私が確信した表情で驚くと、ばっと押し倒した。 「子供のくせにメスのにおいがプンプンすんのよあんたは…」 首筋に唇を当てられた私は息が上がるのを感じた。 慣れているはずだ。こういうことは。 セックスは何度もいろんな人としたんだから。 「あっ…」 酔っているせいだ。感度がいつにも増していい。 もちろん抵抗している。 なぜだろう。 力が全然入らない。
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