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ときには、奇妙に心をどこかに置き忘れてきたというふうに、催眠術にでもかかっているように夜空を見上げていることがある。なにが見えるのかと質問すると、彼は懐かしそうに慈悲深く微笑んで見せる。
「あのあたりに俺の故郷があったんやで」
と冗談を言い、すると誰もが笑いながら決まって、あの星とあの星の間にかいと更に質問をかける。
「そや、ずいぶん前になくなってしまったけどな」
と悪戯っぽくにやりと笑い、賑やかに笑って見せると、また手近の居酒屋に飛び込んで仲間たちと大量に酒をオーダーする。
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