ヘイジ

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ヘイジ

 水曜日の午前七時。  二方平治(ふたかたへいじ)はあまりに気分が悪かった。ぼんやりと目を覚まし、とりあえず起き上がり、とりあえず部屋を歩きまわり、窓を開け、スリッパを見つけ、顔を洗おうと洗面所に向かった。  ついでに歯を磨き、髭を剃り、顔を拭き、のそのそとキッチンに向かってお腹にいれても大丈夫なものを捜す。フライパン、食器、冷蔵庫、リンゴ、栄養ドリンク「ファイト一発」嫌気がさした。  鏡に映った自分が二重に見える。ヘイジはそれを見つめた。極度の乱視でもなければ頭がおかしいわけでもない。立ち止まって大きなコップで水を飲んだ。二日酔いのような気もする。どうして二日酔いなんだろう。おかしい。昨日は大事な面接だったはずだ。そして、今日もなにか予定が入っていたはず。のそのそとベッドに倒れ込んで考えた。  
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