ヘイジ

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 彼は特別な能力など持ち合わせていなかった。ただ、ヘイジより5センチほど身長が高く。関西弁で、髪は直毛でちょっと茶色の色素がある塩顔イケメンである。もちろん前髪は真ん中でわけていた。彼にとってはこの時代のトレンドがマッチしていて女性にはモテていた。  なんとなく普通の人と雰囲気が違う感じがするが、どこが違うと言われれば特に気になるところなどない、しばらく彼と話しているとテンポよく弾む会話でどこか楽し気な気分になることかもしれない。笑うときには、顎を軽く上げ視線を天井に向けることだろうか。  それとも、悩み事を打ち明けた時の彼の口癖がいつも決まって「なんくるなる、なんくるなる」だからだろうか。普段は関西弁なのにいきなり出てくる沖縄の方言になんだか落ち着かない気分になるのだ。
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