0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああぁーー!!私が食べようとしたカップラーメン食べたなぁー!!!!!」
と彼女に怒鳴られた。
トイレから出てきた彼女は顔を顰め、眉間に皺を寄せている。
なんだそういう事だったのか。それならそう言ってくれれば良かったのに。
「アナタはさっき食べたでしょうがぁー!」
無言で俺の前にカップラーメンを置き、トイレに行ってしまったから、てっきり俺のために作ってくれたのかと思った。
それにカップラーメンも普通のサイズだったからな。メガ盛りを食べた直後の俺には腹的にもちょうど良かった。
「俺がいつもメガ盛りだけでは微妙に物足りないなと言っていたから、わざわざ作ってくれたのかと…」
「そんな訳ないでしょ!! ーーそれに私ダイエットで昨日から何も食べてないから、お腹ペコペコなのに!!」
「俺だってダイエットしてたのに…」
「じゃあなんで食べた!!」
「いや、だから出されたから…」
「バカっ!」
よっぽどカップラーメンを食べたかったのか、かなりご立腹だ!
仕方がない…。
それなら………
「見てて」
俺は空になったカップラーメンを手に持ち、蓋を閉じた。そして抱き抱えるようにして、カップラーメンを腕の中に隠した。
「えっ?」
驚く彼女を横目に俺は念じた。
「カップラーメンよ!復活せよ!!」
俺は懐から未開封のカップラーメン・カロリーオフ薄塩味のハーフサイズを取り出した。
すると彼女は数秒考えるそぶりをして…
「なるほどね…」
とクスッと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!