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探偵との出会い2
カフェは新しく出来たからなのか、人でごった返していた。
「あっ、こっちこっち。」
そう言いながら手をブンブン振っている一人の女性。そんなに手を振って呼ばないで欲しい、お客さんのほとんどが私達に注目しているのが分かる。
「恥ずかしいからやめてください。赤羽さん。」
私は小走りで近づきそう言う。
「“美鈴さん”と呼んでくれても構わないよ?」
「遠慮しておきます。」
「そいつは残念だ。」
赤羽さんは肩をすくめ、
「まぁ、座りなよ。夢の話がしたいんだろう?」
そう言い席へと促す。促されるままに私は席に座り
「電話でも聞きましたが、どうして私が変な夢を見ることが分かったんですか?」
そう聞いた。
「いきなり核心をつくんだな。いいね、そう言うの嫌いじゃないよ。」
赤羽さんはニヤリと笑い
「私は“視える”んだよ、そう言った類のものが。」
視えるって
「その…視えるのは、幽霊が視える…ってことですか?」
そう聞く私に
「察しがいいね。その通りだよ。」
すました顔で答える赤羽さん。うさんくさ、私は正直そう思った。
「おや、その顔は疑ってるね?まぁ、無理もないさ。いきなり幽霊が視えるなんて言われても信じろと言う方が難しい。」
「でも、これが本当の話なのさ。実際、火凛ちゃんの悩みもズバリ言い当てただろう?」
いきなり下の名前呼びなのか、しかも、“ちゃん“って。しかし、今はそんなことはどうでもいい。胡散臭いが確かに私の悩みを言い当てたのも事実。ここはダメもとで信じるのもありかもしれない。
「私の夢も幽霊の仕業ってことですか?」
「いや、幽霊じゃないよ。」
幽霊じゃないんかい。
「どっちかと言うと“呪い”かな。死んだ人から恨まれてるって感じ。何か心あたりある?」
そう聞かれ私はしばらく考える。最近亡くなった知り合いはいないし、いじめられたことはあってもいじめた記憶は無い。あまり人と接せずに生きてきたから恨まれるようなことをした覚えもない。
「特にはありません。」
「そっか。うーん、とりあえず繋がってみるか。」
「はい?」
「あっ、エッチするって意味じゃないよ。どうしてもって言うなら私は構わないけど。」
「そんなこと考えていませんし、赤羽さんとエ…エッチなんてしません!!!」
「フフッ、可愛いね、その反応」
なんなんだよ、この人。調子狂うな。
「それで、繋がるって具体的にどうするんですか?」
「説明するけどその前に、とりあえず場所変えようか。」
「いいですけど、どこにですか?」
「私の家だよ。」
「は?」
はぁああぁ?
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