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ちゅーか、落選のお知らせまでしてくれるとは御丁寧だ。検討までしてもらえたなら、それだけでお礼を言わねばな。
「ありがとうございます。また機会があれば……」
「いえ、違います」
「は?」
違う? お前に二度とチャンスなんかねぇぞってことか?
「斯波が、是非一度お会いしたいと申しております」
「はい?」
「頂いたテープのプレイが素晴らしいと」
「はぃぃ?」
「出来るだけ近々でご都合のいい日に面談をお願いします」
「えぇ!?」
いやいやいや、マジで? マジでグリフィンの斯波正人? が? 俺を候補にと? 面談に来いってそういうことだよな?
「ご都合はどうでしょう」
「……は、はい……」
流石、かのグリフィンのマネージャー。俺の動揺などものともせずに、きっちり話を進めて来る。
「あの」
「はい」
俺をわざわざ時間取って呼ぶって? マジで? あの斯波正人が?
えっ、あの斯波正人ですよね?
あのメタル誌DAWNで、人生相談の連載してる斯波正人ですよね?
「近々というのはいつ頃……」
言っても、大先輩相手に俺の都合だけで日程決めるのも失礼じゃないか? あちらさんも暇じゃないだろうし。
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