いじっぱりロージーとわがままブランキー

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5歳の女の子のロージーと、ブランケットのブランキー。 2人は、ロージーが生まれた時からいつも一緒。離れた夜など一度もない、大の仲良し。ところが、クリスマスを迎えたある日、2人は喧嘩をしてしまいます。 「サンタさんに何かお願いが出来るなら、ボクは一日で良いから自由気ままな一人旅がしてみたいな。ほら、映画で見た魔法の絨毯みたいにさ、風に乗って世界を旅するんだ。きっと素敵だろうね。でも無理だろうな。だって、ボクがいないとロージーが寂しがって眠れないだろうから」 一度も外の世界を見た事がないブランキー。彼が憧れを口にした事で寂しさを感じたロージーがヘソを曲げました。 「まぁ失礼ね。あたしはもう赤ちゃんじゃないもの。ブランキーなんていなくたって眠れるし、ちっとも寂しいなんて思わないわ。全然へっちゃらよ。どうぞご自由に。あなたなんてどこにでも好きなところへ行っちゃえばいいんだわ」 自分なんていなくてもへっちゃらだ。そんなロージーの強がりを間に受けたブランキー。自分勝手な彼は、頭に来た勢いで本当に家を飛び出してしまいました。 風に舞いあげられたブランキー。ロージーの家の赤い屋根が見る間に小さくなり、上空を吹くハイウェイの風に乗った彼は、街を超え、山を越え。やがて海をも超えて、ぐんぐん進んでいきます。 「すごいすごい!ボクは魔法の絨毯になったんだ!風よ吹け!もっと吹けー!」ブランキーは大はしゃぎ。夢に見た空の旅は、景色が良くて気持ち良くて、最高でした。
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