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水上は自分達のことが記事になることに嬉しさを感じていたけど、忘れていたことに気づいた。
「そういえば、陽子の願いは叶って、おじさんの願いも叶いそうだけど、俺の現代文の先生との恋愛の願いは叶わなかったですね」
陽子が俺の肩を小突いた。
「素敵な恋愛をしたいんじゃなかったの? 私ではご不満かしら?」
陽子の強い目力と鬼気迫る剣幕が怖くて、あわてて不満じゃないですと声を出すと、四人は笑いに包まれた。
それから三週間後の日曜日、水上と陽子はレジャーランドを思う存分楽しんでいた。
二人の鞄の中には自分達が記事になった月刊誌が入っていた。
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