願いが叶う喫茶店

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 一週間後の金曜日の夕方は部活も塾もないので、その時にまた来ますとマスターに伝えた。  マスターは朗らかに頷いて、またのお越しをお待ちしておりますと言った。  一週間後、約束通り俺は喫茶店に行った。  この前と違って、テーブル席には中年のおじさんがいた。  そして、カウンターの中には、同じクラスの立石陽子(たていしようこ)がいて驚いた。 「あれ、なんでこんな所に陽子がいるの?」 「私がどこにいようと勝手じゃない」  マスターが仲介するように話した。 「立石君にはここでバイトしてもらっております」 「うちの学校、バイトは禁止されていたような」  マスターと陽子が、自分の口の前に人差し指を立てる。 「まぁ、いいや。マスター、エスプレッソ」 「かしこまりました」  エスプレッソが出来上がると、マスターが今回はすぐにカップをテーブルに置いた。  一口啜ると、相変わらず苦さが口の中に広がった。 「それで、現代文の先生とはうまくいきそうですか?」
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