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「て言うか、由比。
苗字、市ノ瀬って……」
「あ…うん。結婚したんだ。
…市ノ瀬くんと」
「やっぱりイッセーと!」
この津田が「イッセー」と言うのが、津田に佐川と続く正三角形のもう1人の男、市ノ瀬だ。
「やっぱりって。なんだ津田くん、あたしの結婚相手をいつから予想してたの?」
「予想なんてしなくても、きっとそうなる運命って確信してたさ」
「……ふぅん」
高校を卒業してそのまま他県の医大に進んだ津田は、以来久しぶりに会った佐川 由比の姿に、思わず見惚れてしまった。
18の頃もキレイな顔をしていた彼女だったが、10年経った今もその美しさは変わらず、しかも“オトナの女”の色気を増していた。
…もっとも、人妻となってしまった今となっては、そんな目で見たとは冗談でも言えないのだが。
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