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「…あぁ、ごめん。いつまでも浸ってる場合じゃなかったね。
えっと、生理がないのはいつからだっけ?」
「あ、うん。最終月経日が────…」
予想しなかった思わぬ患者に仕事を忘れてしまいそうになった津田だったが、産婦人科医としての仕事に戻ろうにも、それはそれでぎこちない診察となってしまった。
なにせ産婦人科と言うだけで、何かしら戸惑うものがある診療なのに。
ましてやその医者と患者がかつての親友同士となれば、躊躇を感じずにはいられないだろう。
かと言って今更やめるわけにもいかず、津田も佐川も余計な雑念を振り払うのに懸命だったのは言うまでもない。
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