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圧倒的フライングを為してしまった俺は、その悔しさと恥ずかしさからどうすることもできずに、走り続けていた。
「おーい! フライングだぞー!」
どこかからそんな声が聞こえてきた。
聞こえないフリをしよう。今更止まることなんてできない。止まることができたら、もうとっくに止まってる。
幸いにも、俺を無理矢理止めようとする人はいなかった。
しかし、このままずっと会場を走り続けていたら、いずれ体力の限界が来る。走るのがゆっくりになって、捕まるのも時間の問題だろう。そしたらきっと、俺は運営の人達によって会場で辱めを受けることになる。
それが嫌だと感じた俺は、そのまま走って会場から出て行くことにした。
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