ラン・アンド・ラン

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 俺に声をかけられた人は、俺を近くの交番まで連れて行ってくれて、俺は無事家に帰ることができた。  心配してくれたのは、親だけだった。他の人達からは、馬鹿にされたり、変な目で見られたりした。  それが、クラスの人や部活内の人など、小さなところで行われているのならまだ良かったのだが、俺の奇行はあっという間に世間に知れ渡り、知らない人からも変な目で見られるようになった。  そうなったきっかけが、テレビによる報道だ。  テレビ局の人々は、映像に残っていた会場での俺の行動を、面白おかしく報道した。  俺はとても傷ついたが、その悔しさを糧にして、前回よりも陸上の練習を頑張った。絶対に俺を笑い者にしたテレビ局を見返してやる。そう思った。  そして、一年後、いよいよ決戦の時。
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