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(よりにもよって……聖なる日の使者か……。)
聖なる日の使者、それは「国民達にプレゼントという名の贈り物を届ける役目を請け負う人」だ。
雑務も雑務、スペルアの中から選ばれるとはいえど、誰からも敬遠されている役目だ。自分は今まで、警護部ノ長だからこそ免除されていた役柄。今年度から免除が消えたらしい。到底納得がいかない。
すぐに空中投影通話機能を起動し、トアーリンに連絡を取った。
『おー、アルか! どうだ? 聖なる日の使者についての書類が届いただろ? 何か質問か?』
「ご名答。質問ってか、文句を並べたくて繋いでる。」
文句かよ、と苦笑したトアーリンに冷たい視線を送りながら、低い声で淡々と続ける。
「今までは警護部ノ長だからって免除してた役だろ、これ。何で今更、俺に頼む? ワトレアとか、ミルジュとか、絶対暇してる奴らいるだろ。」
思いつく限り、スペルアのメンバーを出すと、トアーリンの苦笑が深くなる。
『その2人も、審判ノ長と調薬ノ長だろ……あまり暇とか言ってやるな。現にここ最近、ワトレアは人間関係でのトラブルが多くて、ずっと審判にかかりきりだし、ミルジュは感染症が一部で流行っているせいで、新薬開発中だ。』
溜め息をついた。最悪な流れだ。残りの2人は名前も覚えていない時点で、多分自分と接点は殆ど無い。残り5人は国政部だから、年の瀬となるこの時期は多忙だろう。
「あー、はいはい、分かったよ。やればいいんだな。」
そう答えることしか出来なかった。
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