聖なる日の使者

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聖なる日の使者

 魔法使いが主体となり、頂点に立つ国、それがノーファ国。  魔法使いが頂点に立つ、と言っても、それは他の国で言う為政者のような存在であって、もちろん魔法を使えない人もたくさんいる。  魔法使いだからと言って威張ることは許されないし、国民も国民で魔法使いに魔法を強制することも出来ない。  全ては平等から。これが、ノーファ国の根本にある掟だ。  そして、ここノーファ国には「スペルア」と呼ばれる、特殊な階級が存在する。  国民は愚か、見習い魔法使いや、あまり力が強くない魔法使いは、決して足を踏み入れることの出来ない、エリート中のエリートである魔法使いが集う、特別な場所。  大きな建物に拠点を置き、国の全体的な統制を図っている場所になる、まさに国政の中心部。  これは、かつてこのスペルアの中にいた1人の魔法使いが……とある偉業を成し遂げた、何年も前の聖なる日に起こった話だ。
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