あの世に流れ着いたのは?

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あの世に流れ着いたのは?

 私の物語は私が生きている限り続いている。  この物語の続きのページがあるということは、意識を失ったけど再び復活したわけ。  生きていてよかったなー自分と笑っていると同僚の片岡とルカくんがため息を吐いた。  私の意識を奪った犯人は片岡で、彼がここにいるのは私の暴走を止める兼ルカくんのボディーガード。  しれっと登場した邪魔者の片岡は私をジロッと睨んだ。 「お前なあ、今から大事な仕事するのに発情してどうする。しっかりとしないと」 「だってさー、私がショタコンなの知ってるでしょ? 可愛いものに反応しやすい私がルカくんを見て冷静になれると思う?」 「100%ないね」 「でしょでしょー! そういうわけで無理です!」 えへへと笑うと片岡がルカに頭を下げた。 「悪いな、いつもあの変態が暴走して」 「いえ、慣れてますよ。あの人一生このままなら無理やり矯正するよりも、お花畑で生きるのが幸せだと思いますね」 「おい、早瀬聞いたか? お前、すごーく可哀想な人扱いされてるぞ。さすがにこのままだと愛しのルカくんが離れていくぞ」 「あ、それは嫌だ。本当に許して! お姉ちゃん寂しい」  ルカくんが離れるなんて嫌だ。旅立つなら見送るけどまだこの世界にいる内は仲良くしたい。 「ルカきゅん、許して。お姉ちゃん大好きなんだから」 「離れる気はないですよ。そうなったらもっと面倒なことになりそうですから」 「だってよ。早瀬、よかったな」  そんな馬鹿なことをやっていて時間がかかった。  本題までどれだけおふざけやってんねんと神様に叱られそうなので大人しくする。 「で、今回流れ着いたのが君のお兄さんか」 「はい」  久しぶりに家族と対面したルカくんの表情は硬い。それもそのはず、このお兄さんは自ら命を絶ってしまったのだ。  ルカくんの願いは叶わず、彼は死んでしまった。
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