アリバイを覆せ!

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「でも実際、通行人も歩いている中で信号に引っかからずに1.5キロちょっとの道のりを5分で走るのって難しくないですか?」 わたしはオレンジジュースを啜りつつ尋ねてみる。 「いいえ、走れるわ! だから、それをきちんと証明してみせようと思うの」 美愛さんが眼鏡のブリッジを人差し指で抑えながら、研究が佳境に入った学者のように真面目な顔をする。 「その為に助っ人を呼んだのよ」 「え、助っ人?」 美愛さんが大きく頷く。 「来て頂戴、丸山さん!」 指パッチンをしながら呼ぶと、カウンター席から30代前半くらいの細身の男性が歩いてくる。
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