1/1
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

「ただいま」 「ただいま~菜々美ママ」 リビングに入ると、紘くん一家は当然だけど何故か私の家族も勢揃いしていた。 「ママにパパ、それにお兄ちゃんまで。なんで皆集まってるの?」 「優希に紘おかえり。雪翔が何か面白いもの見れるって聞いたからお邪魔してる」 雪兄と私のお兄ちゃん春希(はるき)は同じ歳で同じ大学に通ってる。2人ともすごく仲が良い。 面白いものって、例のDVDの事だよね? それしか思い浮かばないしね。 「まさか・・・アレをみんなで見るつもりなのか?」 「たぶんね」 あのぉ・・・さすがに全員に見られるのは私でも恥ずかしいんだけど・・・。 「ふふっ。じゃあみんな揃ったし上映会はじめましょ♪」 「母さんやめてくれ!」と言う紘くんの声は無視された。 そして、プロジェクターを通して大きいスクリーンに幼い頃の私と紘くんが映し出された・・・。 二人は仲良く遊んでいる。 そして例のシーンが流れた・・・。 「優希ちゃん大好き❤僕と結婚して下さい」 「私も紘くん大好き❤うん、優希を紘くんのお嫁さんにして」 「ありがとう。約束だよ優希ちゃん」と頬にキスした。 「うん、約束ね」と紘くんの頬にお返しのキスをした。 うん、可愛いけど恥ずかしすぎる~。 「もういいだろ」と菜々美ママから無理矢理リモコンを奪ってプロジェクターを停止した。 「うんもう、まだ続きあるのに・・・。でも可愛かったでしょう?それにちゃんと証拠もあったでしょ?」 「うっ!子供の頃の話だろ」 やっぱり紘くんは私と結婚するのは嫌なんだ。 私は紘くんにプロポーズされた時から、ずっと紘くんと結婚するんだと思っていた。たとえ子供の頃の約束だったとしても、そう思っていたのに・・・。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!