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「ただいま」
「ただいま~菜々美ママ」
リビングに入ると、紘くん一家は当然だけど何故か私の家族も勢揃いしていた。
「ママにパパ、それにお兄ちゃんまで。なんで皆集まってるの?」
「優希に紘おかえり。雪翔が何か面白いもの見れるって聞いたからお邪魔してる」
雪兄と私のお兄ちゃん春希は同じ歳で同じ大学に通ってる。2人ともすごく仲が良い。
面白いものって、例のDVDの事だよね?
それしか思い浮かばないしね。
「まさか・・・アレをみんなで見るつもりなのか?」
「たぶんね」
あのぉ・・・さすがに全員に見られるのは私でも恥ずかしいんだけど・・・。
「ふふっ。じゃあみんな揃ったし上映会はじめましょ♪」
「母さんやめてくれ!」と言う紘くんの声は無視された。
そして、プロジェクターを通して大きいスクリーンに幼い頃の私と紘くんが映し出された・・・。
二人は仲良く遊んでいる。
そして例のシーンが流れた・・・。
「優希ちゃん大好き❤僕と結婚して下さい」
「私も紘くん大好き❤うん、優希を紘くんのお嫁さんにして」
「ありがとう。約束だよ優希ちゃん」と頬にキスした。
「うん、約束ね」と紘くんの頬にお返しのキスをした。
うん、可愛いけど恥ずかしすぎる~。
「もういいだろ」と菜々美ママから無理矢理リモコンを奪ってプロジェクターを停止した。
「うんもう、まだ続きあるのに・・・。でも可愛かったでしょう?それにちゃんと証拠もあったでしょ?」
「うっ!子供の頃の話だろ」
やっぱり紘くんは私と結婚するのは嫌なんだ。
私は紘くんにプロポーズされた時から、ずっと紘くんと結婚するんだと思っていた。たとえ子供の頃の約束だったとしても、そう思っていたのに・・・。
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