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どうしよう、やばいかもしれない。
今週末はずっと楽しみにしていた有馬くんとのクリスマスデートなわけだけど、本当にただただ楽しく過ごせるだろうか。
天気予報を確認したら、ひとまず雨が降ることはなさそうだ。けれど少し気温は低いようで『防寒はしっかりと！』と書いてあった。あえて念押しするくらいなのだから、きっと相当寒いのだろう。
有馬くんは寒いの大丈夫だったっけ。寒がりだったらどうしよう。
あまりの寒さに、光り輝くイルミネーションや大きなツリーを見るのに集中できなかったらクリスマスを楽しめたなんて言えない。むしろ苦行ともいえる。いやだ、苦行と書いてデートと読まないで。
まあでも彼ももう高校二年生だ。つまり日本の冬は十七回も経験していることになる。それでも無事に高校生にまで育っているわけだから大丈夫だろう。だって今年の冬は寒いといっても所詮日本の冬だ。氷河期になるわけでもあるまいし。
仮に氷河期になったとしたら人類存続の危機だ。
ペンギンやアザラシは喜ぶかもしれない。でもいやだな、まだ有馬くんと手も繋いでないのに氷漬けになりたくない。そのときはせめて有馬くんと寄り添いながら固まらなきゃ浮かばれないよね。
まあ寒さ問題は地球が突然氷河期を迎えなければなんとかなるとして、シンプルに敵が現れるかもしれない。クリスマスの敵、それは非リア充だ。非リア充は世のカップルたちをひたすらに憎んでいると聞いたことがある。クリスマスというカップルが大勢集まる絶好の機会にテロでも仕掛けてきたらどうしよう。私は有馬くんを守れるだろうか。やばい、こんな二の腕じゃ無理かも。筋トレしなきゃ。ダンベルってコンビニに売ってたっけ？
いや待て。さすがにテロはないか。非リア充も保身を考えるはずだ。
そんな大規模な騒動を巻き起こしたら自分たちも無事じゃ済まない。だとすると、裏でこっそりカップルを攻撃する可能性が高くなる。たとえば巨大クリスマスツリーのオーナメントに小さな衝撃で落ちるように細工して、風が吹いた途端オーナメントたちがカップルに襲い掛かったりとか。そのときは受け止めなくちゃ。パワーグローブってコンビニに売ってたっけ？
どうしよう。今週末のクリスマスデートはどうなるんだろう。波乱の予感しかしない。
やばいかもしれない。
……やばいかもしれない！
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