第5話 冒険者になる

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第5話 冒険者になる

冒険者ギルドがあると言っていた中央広場へ歩いていく。 屋根は赤で壁は白で統一されたとても綺麗な街並み。 街は活気盛んに栄えている。 食堂や屋台が並んでいて肉を串で刺して焼いたものや魚の煮物など売られている。 今は手持ちがないため食べれないが 冒険者として登録し稼げるようになれば食べてみよう。 匂いにそそられながら中央広場へと歩みを進めていく。 中央広場には大きな噴水がありその奥には白塗りで青色の屋根の大きな建物がある。 ここが冒険者ギルドのようだ。 中へと入っていく。 入って左側に机とテーブルがあり休憩室のようだ。 入って奥側には受付のようなものがあり 紺色の衣服をつけた人が座って応対をしているようだ。 右側には色んな紙が張り出されており 多分クエストカウンターのようだ。 受付へと向かい 暇そうなお姉さんの所へ行く。 お姉さんは赤いメガネをしていてたわわな胸がお膨らみになっている。 自然と胸に目線がいくところだが 冒険者になりたいと話しかける。 「冒険者希望ですね。」 「ではこのクリスタルボードに手をかざしていただけますか?」 「クリスタルボードにあなたの能力が映し出されます。」 「そちらを確認させていただいて冒険者ランクを算出させていただきます。」 「また私たち冒険者ギルドの職員は冒険者の個人情報を保護させていただいてますのでご安心ください。」 と言ってクリスタルボードが目の前に差し出される。 手をかざすとクリスタルボードが光る。 光が消えると受付嬢のお姉さんは 「ありがとうございます。では確認させていただきますね。」 「あ。私申し遅れました受付嬢のミカと申します。」 クリスタルボード確認していた受付嬢のミカさんは顔色が曇る。 「あのーリョウさんでよろしかったでしょうか?」 あぁと返事する。 「少しお待ちいただけないでしょうか?」 と言うと大急ぎで受付カウンターの横にある階段へと登って行った。 少しするとミカさんが階段から降りてくる。 「リョウさん冒険者ギルド長とあっていただけませんか?」 少し疑問な顔を私がしていると ミカさんが身体を寄せて耳にコソコソと話してきた。 「あまり大きな声で言えないのですがリョウさんの能力はあまりにも強力すぎるので私では手が負えません。」 「あなたどこで旅をされていたのですか?」 まぁと反応に困っていると 「とりあえずこちらへ」と案内される。 階段をのぼり登りきったところに廊下があり進んでいく。 廊下の奥側にギルド長室と書かれている。 ミカがノックを4回する。 すると奥からすごく野太い声で 「入れ」と声がする。 扉を開けると犬の顔した屈強な男が立っていた。 「あんたが規格外の旅人か。」 「俺はジェイコブ・バンデッドと言う。 ここでギルド長をしている犬人族だ。」 「では、ギルド長私はここで失礼させていただきます」 と言って部屋を後にする。 「早速だがお主何者だ?」 「正直な話この能力値は異質すぎる。」 「何故今まで冒険者になってないんだ?」 ギルド長に隠せそうになさそうな雰囲気がする。 頭の中で赤信号が点滅している。 「あんた何か隠し事しようとしても俺には全く聞かんからな。真実を語りな。」 バンデッドに面と向かって 「私はとある森で1年魔物を狩りながら生活をしていた。 今あなたを信用しているわけではないので どこの森で生活をしていたかは言えませんが」 と言ってアイテムボックスという空間魔法で スケイルカウ一頭を目の前に差し出す。 バンデッドは驚きのあまり顔がひきつっている。 「何だこの見た事のない牛の魔物は。」 少し俯くようにして悩み事をしているようで 少ししてから顔を見上げて 「あんたがとんでもない新人でなおかつ嘘を言っていないということがわかった。」 「あんたもしかして未開の地から来たとか言わないよな??」 「この牛の魔物は見たことがない。 私は冒険者として名を馳せていたんだが 私が行った国には全くこのような魔物を見た事がない。」 バンデッドに提案する。 「私はあなたが言っている未開の地から来た。 この情報を秘匿にして欲しい。 その代わりに向こうの土地が必要なものがあれば揃えることを約束する。」 するとバンデッドは また悩んでいるのか俯いて 時折ムムムと声を出している。 「現時点で未開の地にどのようなものがあるのか分かっていない。」 「ただヘイスタニア王国の国王が未開の地への調査を進めようとしているんだが そのクエストが来た時にあんたに優先させるでいいか?」 「どちらにせよ未開の地の調査を受ける冒険者はいないからな。」 バンデッドの提案に同意する。 「それとあんたを冒険者として迎えさせてもらう。 あんたの実力だとS級冒険者なんだが新人で飛び級は悪目立ちをするからD級冒険者として登録させてもらう。」 「D級冒険者も大分飛び級なんだがな。」 「あとは受付嬢のミカちゃんにあとは任せるから。」 「また特別な依頼があれば名指しで呼ばせてもらう。」 ギルド長室を後にして、 階段を降りていくと最初に対応してくれた受付嬢のミカちゃんが階段の下で待っていてくれたようだ。 「リョウさんこちらで今後の説明をさせていただきますので」 と受付カウンターに案内された。 「では改めて冒険者ギルドへようこそ!」 「あなたはDランク冒険者です。」 「冒険者はG.F.E.D.C.B.A.S.SS.SSSランクに別れています。」 「冒険者はこの冒険ランクの同等ランク又はそれ以下のランクの依頼を受けることができます。」 「またEランク以上からは討伐依頼が増えます。」 「高ランクモンスターの討伐などは高ランク冒険者が対応しますが。」 「時折ランピードと言いましてモンスターが大量発生することがあり、その時は各冒険者ギルドが特別依頼として全ての冒険者を対象に発令します。」 「ランピードが起こった際は必ず無理をなさらないように。」 「低ランクモンスターだけではなく希少種も現れるので。」 「依頼に関してですが採取依頼は依頼品をギルドに提出後、準備されていた金額が冒険者に支払われる制度になっております。」 「討伐依頼は素材を持ち帰り提出することで達成し依頼完了となります。」 「また素材はギルドが買取もしていますのでいつでもお声かけください。」 「また素材にすることが出来なかったものはアイテムボックスに入れた上で受付と反対側のカウンターで引き取り所にて対応させていただきます。」 「手数料など引かれるのでご自身で素材にされた方が多く稼げますが。」 「素材に傷がいっているとかであれば傷ものとして扱うので引取り値が落ちることをご了承ください。」 というとミカちゃんは少し身を乗り出し 「多分リョウさんにはあんまり関係ないとは思いますけど。」と小声で話してくる。 また席について話し出す。 「では早速ですが依頼を見て行かれてはどうですか?」 「クエストカウンターの貼り紙を取ってきて貰って受注となりますので。」 とミカちゃんに促され クエストカウンターへ赴く。 見渡していると 「Dランク ゴブリンジェネラルの討伐」 エビル山脈に住まうゴブリン小隊のゴブリンジェネラルの討伐。 エビル山脈の中腹に進行中の模様。 ゴブリン、ハイゴブリン、ゴブリンアーチャー等の下位ゴブリンも数十匹いる模様。 先発隊のようでこちらに向かってきているようなので進行を止めるべく冒険者で討伐お願いします。 ヘイスタニア王国戦士長フェグ・ガトリン この依頼書を取り ミカちゃんの所へ行く。 これと差し出すと 「リョウさんこれパーティー推奨の依頼書なんですよね。」 「ただリョウさんの実力だと大丈夫だとは思いますが細心の注意を払ってくださいね。」 「では、行ってらっしゃいませ。」 とミカちゃんに見送られる。 エビル山脈はファストの街から北側にそびえる山の峰々。 魔物の巣窟として麓辺りからは上位モンスターがいるようで ソロ不向きのエリアらしい。 ミカちゃんに再三釘を刺されたが問題は無いだろう。 クエストの準備はここに来る時に既に済ませているので このままエビル山脈に向かうことにする。
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