act.1 君の待つ街に

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 ようやく始発の時間になって、駅まで送ってもらった。  まだ電車の来る時間じゃ無いけど、早めにホームに入ってベンチに腰掛けた。なんか今頃眠気がやって来たぞ。  俺はボディバッグにキャップだけの軽装だ、一応出迎えだけのつもりだからそれでいい。帰りには美音の荷物を持ってあげなきゃ。  美音は飛行機の中でちゃんと眠れているかな?体調が良いといいけど。予定では14時頃に日本に着く便だ。  うまく落ち合えたらそのまま西成の藤原さんの家に行く。そこで美夜さん達に会って、時間次第で福島に真っ直ぐ帰るかどこかで泊まるかだ。  俺としては余り急いで美音を連れ帰ってしまうと美夜さんが可哀想だ。様子を見て、大阪に一泊も良いかとは思っている。  なんせ観光地だ、難波辺りには安宿がいっぱいある。美音を美夜さん宅に泊めてもらえれば自分はどこでも良い。  ホームに滑り込んで来た始発の特急に乗りこむ、後は寝てしまっても東京に着く気楽な旅だ。  自分の指定席を見つけて座り、椅子を倒すと後はただひたすら爆睡した。
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