帰りたい場所(イラスト追加しました)

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・・・ 「さぁ、たんとお食べ!」 「お前はお母さんかっ」 発熱と空腹と東条のテンションにクラクラしながらも、俺はツッコミ役を欠かさない。 そして目の前には、美味しそうなキノコと鶏肉の雑炊が。 「……美味そう」 「そうだろう?陽斗君の為に、心を込めて作ったよ。さぁ、このウサちゃんのスプーンで……」 「ウサちゃんやめろ」 東条に渡されたスプーンに、俺はすかさずツッコミを入れる。 もう、コイツと居るとツッコミっぱなしだ。 俺は更につっかかる。 「なんでそんな子供用のスプーンなんだよっ!」 「ええ、可愛いじゃないか。これはね、僕の妹が好きなキャラクターなんだけど、テレビでアニメもやっててね……」 「どーでもいい。ふつうのスプーンで食いたい」 「うぅ……陽斗君が冷たい」 「あーーーーもう!泣くな!……分かったよ……」 しくしく泣いている東条に呆れ、俺は仕方なくウサちゃんスプーンを雑炊に突っ込んだ。 持ち手の部分がウサギの耳の形になっており、サイズも小さめなので、持ちにくいことこの上ない。 しかしまぁ、こうしてまた食べさせてもらってる以上、あまり文句ばかり言う訳にもいかず、俺は大人しくウサちゃんスプーンで雑炊を口に運んだ。
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