お誘い

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――ガチャ、バタン。 「はぁ、疲れたー……」 アバートに着くと、俺はカバンを床に下ろし、手洗いとうがいを済ませてからベッドに腰を下ろした。 (なんっか、マジ疲れたな……寝るか) 時計を見れば、17時を少し過ぎたところだった。 夕飯にはまだ早いし、レポートをする気にもならない。 そんなわけで、俺は暫し寝ることにした。 ……そして、約1時間後。 ピピピッ、ピピピッ。 「ん……」 寝過ごさないようセットしておいたスマホのアラームが鳴り、俺はベッドに身を起こした。 「あー……夕飯、どーすっかな」 眠い目を擦りながらキッチンへ行き、冷蔵庫を開ける。 (……なんもねぇ) 見事に空っぽの冷蔵庫を見て、俺はしばし固まった。 そういえば、昨日で食材は全て使い切ったんだっけ。 こう見えて、節約の為に毎日自炊しているのだ。 バイト代の他に親の仕送りもあるけれど、家賃と光熱費に大体消えるし、大学の単位もしっかり取りたいので、食費は出来る限り抑えることにしている。 (はぁ……仕方ない、買い物行くか) 今月は多少余裕があるけれど、あまり気を抜くわけにはいかない。 俺はダルいのを我慢して、一番近くにあるスーパーへ行くことにした。
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