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車から礼央くんが降りて来た。
「亨くん、ありがとう。あれが礼央くん。
このままスルーして帰ってくれていいから。」
私が車から降りると、亨くんの車はすぐに発進して礼央くんの横を通り過ぎて行った。
礼央くんの元に歩み寄る。
顔が上げられない。
「璃子ちゃん、さっきの人誰?」
「元彼。」
「そっか。何してたの?」
「ドライブしてただけ。」
「そう。でももう辞めてほしいな。」
「ごめん。」
「……璃子ちゃん、一昨日何があったの?絶対おかしいよね?メールの返信は適当だし、電話にも出ない。」
「何もないよ。」
「うん。璃子ちゃん取り敢えず僕の車に乗って。」
車に乗ると、動き出した車は街のいかがわしい通りへ行き、そのおかしな門をくぐった。
「礼央くん?ここ分かってる?」
礼央くんはこんなところ利用した事ないと思った。
でも手慣れた感じで車を降りて駐車場横の階段を上がって私を扉の奥に押し込んだ。
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