お金の価値

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直ぐに手を引かれて、ベッドに連れて行かれた。 そこに座ると押し倒されて、私にまたがると上から礼央くんが見下ろしてくる。 「よく見えなかったけど、さっきの人、璃子ちゃんの元彼とは思えない人だったな。」 いきなり口を塞がれた。 舌がすぐに私を捕まえてくる。 そして私の下唇を甘噛みしてはまた侵入して私を追いかけてくる。 パッと頭を横にそらして唇を離した。 至近距離で見つめ合う。 「私が知らない礼央くんがいるように、礼央くんが知らない私もいるってことだよ?」 睨むけど、礼央くんが私を見透かすように見下ろしてくる。 フッと笑った礼央くんがゆっくり動いて、今度は私を起こして着ているパーカーを脱がせた。 ブラ姿になった私は手をクロスして隠す。 「じゃあ見せてもらうだけだね?」 「イヤ。見せたくない。」 「どうして?元彼に何か跡でも残された?」 「……本当は元彼じゃないよ。中学の時の友達の彼氏。」 「えっそうなの?」 「うん。嘘ついてごめん。亨くんて言うんだけど、家が近所なの。ちょっとママのことで色々あって相談してた。」 「なんでその相談、僕にしてくれなかったの?」 礼央くんが脱がせたパーカーを取って、私にバフって着せてくれた。 「礼央くんは…私の好きな人だから、嫌われたくなくて…。」 礼央くんがまだパーカーに腕を通してない私を抱きしめる。 「璃子ちゃんて本当に、なんていうかたまに違う女の子に見える時があるよ。どっちも大好きだから僕は戸惑ってしまう。」 「ママがね、また少し情緒不安定で。いきなりヴァンクリのネックレス買ってきたの。クーリングオフ出来ないし、どうしたらいいかと思って…。」 「あ、じゃあ僕が売ってきてあげるよ。ヴァンクリならそこまで値崩れしないはずだよ?」 「え、そうなの?」 「うん。そんな事、早く僕に相談してくれたら解決するのに。でも言えなかった璃子ちゃんの気持ちは理解した。言い出しにくい雰囲気作ってた僕のせいだね。」 「ううん、私が勝手に思ってただけ。じゃあお願いしてもいい?凄く助かる。今日ママが寝たら取ってくるね。朝、説得してみる。」 「了解。これからは1番に僕に相談すること。約束だよ?」 「うん、わかった。ありがとう礼央くん。」 私はパーカーをそのまままた脱いで礼央くんに抱きついた。 「折角だから…。ちょっとだけ…。どうですか?」 「断る理由があると思ってるの?」 礼央くんが私の耳にキスをしながら話してくる。 吐息がかかって、ビクッと体が反応した。
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