思惑

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思惑

中学の時、私は転校生でいじめられていた。 それは数ヶ月で終わりを迎えたけれど、その時出会ったのが当時高校でも付き合っていた彼氏で。 で、その後、友人だと思っていた女の子が私のその彼氏とキスをしたと暴露してきた。 その他にもその女の子は要らない事を彼氏に吹きこんでいたようで、彼氏はその女の子を信じて私に不信感を抱いていたようだった。 私はそれで大好きだった彼氏と別れた。 その女の子が暴露しなければ別れなかったと思うけど、キスしたことを嘘つかれていたのは許せなかった。 あの時に一瞬味わった絶望感はいまだに忘れられず、夢に見る。 でも今は大好きな礼央くんがいるから、人生なんて分からないもんだ。 ーーーーーーー 車の教習は全部一発合格だった。 先生には運転のセンスがいいと褒められて、その後デートに誘われた。 嘘だったのかと思いながら免許取得。 いや、運転は自分でも思う、結構得意だ。 週末。 都内に出て礼央くんの家のガレージに停めると、まずは礼央くんの部屋に隔離される。 ゆっくり湯船に浸かって、礼央くんが肩や頭をマッサージしてくれる。 私は仕事の疲れと慣れない高速の運転に取り敢えず眠くて、5分だけと断りを入れて目を閉じる。 その間ずっと礼央くんの顔が近くにあるけれど、もう慣れた。 眠気には勝てない。 5分なんてあっという間。 「璃子ちゃん、5分たったよ。起きれる?」 「起きれる。」 「じゃあ、もう解禁?」 「解禁。」 腕を引っ張られてお風呂を出ると、体をお互いに拭いてそのまま始まる。 恥ずかしいなどもうないほどお互いの体を知り尽くしている。
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