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「うん……この子ね。 さっき、近所で倒れてて。 だけど、俺以外に誰にも見えてないみたいなんだ」
得体が知れない少年を家にあげるとか……なんですかマモちゃん、非日常ではハナマルだけど日常ではかなり危ないのでは……?
「救急車とかは呼ばないの?」
「うーん……この子を背負って帰って来る時に、ご近所さんに全然気づかれなくて。 びっくりだけどこの子、鏡にも映らなかったんだ。 そんな状態で救急車を呼ぶのもちょっとまずいかな、と……」
そうこう言っていたら、少年が目を覚ました。
『……あれ、……ここ、は』
「あ、起きた。 大丈夫……っ?」
マモちゃんの語尾がおかしかったので、思わず少年のほうに目をやった。
「……っ?!」
うわぁお。 非日常、非現実がここに降臨……少年の瞳の色は、漫画のキャラクターのように綺麗な緑色だったのだ。 えぇと、外国人……いや、少年がさっき呟いた言葉は普通に聞き取れた。
それだけじゃない、半身起こした彼の服装。 どこぞやのコスプレイヤーかと見間違えそうなバリバリのファンタジーなコスチュームだった。
『……にぃ、ちゃん……?』
ななな、なんですと?! 聞き捨てならないワードが……! しかし、マモちゃんは固まってしまった。 肯定はしていないが、否定もしなかったのだ。
『兄ちゃん……だよね、俺が見えてるんでしょ?』
少年はガバッと起き上がり、マモちゃんの両手をグッと握ってきた。 グッと……はあぁもう、グッド……!
『ずっと……探してたんだよ、もう……!』
しかしその時に。 信じられないことが私の中でおこったのだ……!
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