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……そうだと思った。 だってこのべノーラたん、兄弟が尊すぎる展開を向かえている時は一切攻撃をしないのだから。
そもそも第一声で、自分の目の届くところでわちゃわちゃしていてね、などとほざいているのだから。
ちくしょう、同類の臭いがプンプンしやがるぜ……! とにかく森の兄弟を手中に入れて、推しシチュエーションをさせまくりたいのだ。 二人を今よりもハードにディープに絡ませ、願わくばいけるところまで辿り着かせたいのだろう。
どこ、なんて聞いてはいけない。 その質問は野暮だ。
あらヤダちょっとだけ(いや大本音としてはかなり)、気持ちは分かってしまう……仕方ない、私はそんなべノーラたんの精神体の生まれ変わりなのだろうから。 同類なのもさもありなん、私は大魔王の化身なのだ。
それつまり、この大魔王の滅し方も分かってしまう、ということ。 なんたってこのべノーラたん、ふしだらな願いの結集体である。
テレパシーで意思疎通が適う、とミノちゃんは言っていた。 だから、念じてみる。
―――えぇと……森の王。 私、この大魔王を昇華させる方法が、なんとなく分かるんですけど……
―――『ミノちゃん』でいいよ、野辺さん。 ……俺は、『ララ』って呼んだほうがいい?
―――プギャ―――!!い、今この時点にて、私の理性を崩壊させますか……?!
ミノちゃんは楽しそうに笑った後、真面目な声で言ってきた。
―――俺は魔法の力で、ある程度人の記憶を覗ける。 だから、ララのおかげでその方法は分かった……言わなくていいよ。 恥ずかしいだろ
えぇ……私に恥ずかしいなんて感覚……あったのか、あったんだ。 知らなかった……たしかに頭の中を覗かれてるとなったら、恥ずかしい以外の言葉は無いわ。
―――頑張ってみるよ。 ご期待に沿えるか分からないけど、まあ見ててよ
……はい、はい……言われずとも目ん玉見開いてドライアイになったとしても瞬き禁止で、ガン見させていただきますとも……! 喜んで!
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